コダジューのフィールド日記

ウトナイ
安西さんと行く「冬のウトナイ」
<平成14年2月23日〜24日>

日本野鳥の会ネイチャースクール探鳥ツアー「初代レンジャー安在さんと行く冬のウトナイ」:1泊2日でウトナイコ周辺を巡る探鳥ツアーで、旅行代金59,800円はちょっと高いが、それを上回るパフォーマンスを期待し参加した。

【ツアー行程】
<2月23日>
08:30〜10:20 羽田発JAL便にて札幌へ
11:10〜12:00 ウトナイ湖にて探鳥
14:00〜16:00 勇払原野にて探鳥
17:30 支笏湖国民休暇村着(宿泊)
<2月24日>
06:45〜07:30 朝食前の早朝探鳥
08:30〜09:30 ホテル周辺探鳥
10:00〜11:00 千歳川にて探鳥
13:00〜15:00 北大演習林にて探鳥
15:30〜16:20 ウトナイ湖にて2度目の探鳥
17:40〜19:20 札幌発羽田行きJAL便にて帰京

待ちに待った夢の?ウトナイ湖ツアー。当初は3月末のガンカモ類の渡りのピークに合わせ、ウトナイ湖ユースを利用しての単独行も考えていたが、ウミガモや北海道の冬鳥が沢山見られ、かつ、土日利用の1泊2日はサラリーマンにとっては大助かりなツアーということで、野鳥誌の案内が掲載されてすぐ申し込んだ。

<2月23日>
総勢31名(ほかに安西さんと添乗員)。飛行機に乗り込むとすぐ前の席がなんとネイチャースクール所長の有名人安西さん。埼玉から来られたというお隣の方と「私は小平なんです」などと話をしていると、前の席に座られていた安西さんが突然、「小平ということはXXさんですか?」と話し掛けられビックり。
実は出発前に資料のことで野鳥の会に問い合わせなどしていたことから、私の名前が知れていたらしい。それをきっかけに安西さんからいろいろな野鳥の話を伺うことが出来た。因みに、帰りの飛行機ではお隣の席になった(^0^)

到着した札幌は曇り。しかしあまり寒くはない。早速最初と最後の目的地ウトナイ湖に向かった。

<ウトナイ湖>11:10〜12:00
今年は氷の解け出しが早く、既に向こう岸には大きな水面が顔を出しており、遠目にカモもチラホラ見えている。そのため、例年ではこの時期行われているはずのサンクチュアリー前での餌付けも今年は既にSTOPしているとのこと。
何はともあれ、私にとって今ツアー最大の楽しみとしていたオオワシを探す。すると氷の上には大きなワシの姿が。しかし、 オジロワシ 。それでも第1号のライファーGET。目を近場に戻すと、そこには餌台や木に巻きつけた脂身に集まる無数の小鳥達。シジュウカラ、 ハシブトガラ 、スズメ、シロハラゴジュウカラなどがひっきりなしに周囲を飛び回っている。これらに混じって、時折頭が真っ白なシマエナガや目つきの怖くないミヤマカケス、顔の白地がやや多く感じられるエゾコゲラなどもやってくる。
ハシブトガラはコガラとそっくりで、私には全く識別不能(というかじっくり識別している時間がもったいない)。ウトナイ湖ではコガラはゼロではないもののほとんどいないとのことで、無条件にハシブトガラに決め付け、ライファー第2号となった。因みに、シロハラゴジュウカラ、エゾコゲラ、ミヤマカケスも亜種としては初見である。
再び湖上に目をやると、先ほどのオジロワシに別のワシが近づいて来て、オジロワシを追い払った。何もこんなに広い氷上で場所取りすることもなかろうにと見ていると。なんとこれが オオワシ の立派な成鳥。昨年のツアーの記録を見ると、2回寄ったサンクチュアリーで1回しか確認されていないので、最悪のケースも想定していたが、これで大満足(^0^)。ツアー参加目的の半分は充足した気分であった。

因みに今回ツアーの私自身の期待・目標は、
1.オオワシを是非見たい。
2.これまで見る機会に恵まれなかった、コミミズク、ハギマシコ、キバシリを見たい。
3.先日すれ違いで見損なったコオリガモにリベンジ。
4.北海道ならではの鳥、ヤマゲラやシマエナガ、ミヤマカケスを見てみたい。
5.クマゲラは昨年も出ていないので期待薄かもしれないが、見れたら最高。
6.大きく先行されたhさんに少しでも追いつき、かつ後ろから猛烈な追い上げを見せているTさんを引き離す絶好のチャンス。多くて10種、悪くとも7種のライファーをGETするぞ!

といったものであった。取り敢えず1.をクリアーし、幸先の良いスタートが切れた。

この後、苫小牧市内で昼食(埼玉のMさんと回転寿司)、次の目的地勇払原野へ向かった。

<勇払原野>14:00〜16:30
勇払原野では、苫小牧港を含む海側でウミガモなどの海の鳥を、荒涼とした原野ではワシタカやフクロウの仲間等を探した。 海側では、初めほとんど何も見えなかったが、目が慣れてくると沖合いに以外に多くの鳥が見られた。クロガモが多く、港の中には高貴な姿のシノリガモやホオジロガモも見られた。ライファー対象の ビロードキンクロ もかろじて確認できたが、雄の嘴の赤までは確認できず、感動もイマイチ。期待していたコオリガモは、見えたという声も一部に聞かれたが、真相は不明で一瞬コオリガモと思ったのはカモメであった(ーー;)
一方、荒涼然とした陸の方は、時折トビが飛び交う程度でほとんど鳥影がない。夕闇も迫り帰路につく途中のバスの中、突然左側の席から歓声が、そしてバスは急ブレーキ。全身白っぽいワシ、ケアシノスリだ。全員がバスから降りた瞬間、見えなくなっていたケアシノスリが近くの電柱に止まり再び姿を見せた。数分後今度は電柱を飛び立ち、10秒以上?もの長〜いホバリングを見せた後、再び別の電柱に止まるという一大パフォーマンスを見せてくれた。このままでは、イマイチ盛り上がりに欠けるところであった勇払原野であったが、そこを察したケアシノスリの役者魂はお見事の一言。因みに、パフォーマンス後に休んでいた電柱の横をバスは通過したが、私の席と彼(彼女?)までの距離はほんの数mほどであった。

<支笏湖国民休暇村>
ほとんど雪のなかった勇払原野からほんの1時間ほどバスに揺られただけなのに、そこはまるでスキー場のような雪深さ。6時ちょっと前にホテルに着いた。ホテルでは夕食後、安西さん持参のウトナイ湖サンクチュアリー関連のスライド上映会、その後、同じく安西さんの羽根のコレクションのご披露があった。羽根の形で初列、次列、尾羽の区別がつく話など興味深かった。

<2月24日>
<ホテル周辺>6:45〜7:30、8:30〜9:20
ホテルのロビーの外には餌台が置いてあり、シジュウカラ、ゴジュウカラ、ハシブトガラ、カケスがひっきりなしにやって来る。数名の方と伴に朝食前の早朝探鳥に出かける。そこでライファー207種目となる キバシリ をGET。幹の下の方から上に向かってクルクルと回りながら登って行き、枝の先に辿り着くと隣の木に移るという、ガイドブック通りの行動を7-8m程先の木で10分ほど見せてくれた。体の色が木の幹と保護色で体も小さいため、同行の1人は7〜8分ほど見つけられずに苦労していた。
朝食後は、全員でのホテル周辺探鳥。鳥は少なかったが、テンやキツネなど哺乳類の足跡などが各所で見られた。また、ホテルの餌台ではエゾリスが時折小鳥を追い払ってひまわりの種を食べていた。

<千歳川・鮭孵化場>10:00〜11:30
ホテルからバスで15分ほどの鮭孵化場へ向かう途中、道路脇に10数頭のエゾシカの群れを見ることができた。
孵化場では、先方のご好意で鮭の稚魚の放流をやらせてもらった。数年後には放流した3−4%が親になって戻ってくるという。年間3000万匹を放流している由。
ところで、鳥の方はほとんど影が薄く、かろうじてカワアイサの群れとオジロワシが見られた程度で、ほとんど空振り状態。一部カワガラス、マヒワを見た人もいたようだったがその程度であった。

<北大演習林>13:00〜15:00
予定では、昼食後ウトナイ湖に再度寄った後、時間があれば北大演習林という当初の日程であったが、希望者が多いため、演習林に先に行くことになった。
ここにも餌台が設置され、これまでと同じような鳥が来ているが、脂身にはアカゲラとコゲラが仲良く寄り添っている。安西さんの案内で池や林の縁を歩き始めると、そこここにクマゲラの彫った穴や食痕がある。そんな時、キューイ、キューイという響く声が。クマゲラらしい。ここで、ツアーメンバーの判断が分かれた(運命の決断)。一通り回った後、声のした場所に戻る(実は駐車場付近からの声)か、今すぐクマゲラを追い求めるか?今回あまり期待していなかった私の判断は、今すぐ戻って見つかる保証がある訳でもないし、一回りしているうちに会えるかもしれないので、大勢側に付こうと判断。直ちに戻った人は数名であった(^^;)
それから30分ほど3/4周ほど歩いたところで、直ちに戻った人からの情報「クマゲラが見れた!ヤマゲラも出ている。こっちは今も見れる」とのこと。直ちに元の場所に引き返したものの、当然クマゲラの影も形もなく(ーー;) ガックリ。しかし、もう一方の ヤマゲラ の方は、木の幹でじっと我々が戻るのを待ってくれていた(非情なクマゲラに対し、ヤマゲラはなんと暖かいお心根をお持ちなのか。どうも1時間ほど動かなかったらしい)。ヤマゲラは208種目のライファー。このほか、各種カモの中にきれいなアメリカヒドリ(図鑑よりずっときれい)が1羽池に浮かんでいた。「私はそんじょそこらのアメリカヒドリもどきと違って純粋よ! 」って(雄ですけど)すまして主張しているように見えた。

<再びウトナイ湖ヘ>15:30〜16:20
ここまで、初見の鳥はオオワシ〜ヤマゲラの6種。最低目標の7種までには1種足りない。最後のウトナイ湖では、餌台に1日2度ほど来るというハイタカにかけることに。安西さんがサンクチュアリーの外を案内している間、私は建物の中で餌台とにらめっこ。でも、私の鳥運も北海道までは持ち込めず、無情にも時間切れ寸前。最後にツアーへの恩返しと確認の鳥の数を増やすべく、備え付けのでかい望遠鏡でミコアイサを見つけ、さらにホテルで同室だった千葉のTさんが見つけたというカシラダカの証人になるべく餌台の下で地味に歩き回っているところを探し出したところで、ツアーは終了した。

<まとめ>
初見の鳥は、最低目標の7種に届かず、6種(^^;)
しかし、 オオワシ、ヤマゲラ、キバシリ が運良く見れたので、よしとする(しかないか(^^;))。オオワシもヤマゲラも見れない可能性も会ったし、キバシリに至ってはツアー31名中3名しか見ていないので、運が良かったのかもしれない。そうはいってもクマゲラはつくづく残念。できれば年内にリベンジしたい(けど財務大臣の予算承認がえられるかどうか)。

<初見>
ビロードキンクロ、オオワシ、オジロワシ、ヤマゲラ、ハシブトガラ、キバシリ(以上6種)
(亜種の初見)エゾコゲラ、シマエナガ、シロハラゴジュウカラ、ミヤマカケス

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<2日間で確認した全鳥種>
<ウトナイ湖>23日
トビ、 オジロワシ、オオワシ、 エゾコゲラ、シマエナガ、 ハシブトガラ 、シジュウカラ、シロハラゴジュウカラ、スズメ、ミヤマカケス、ハシボソガラス

<勇払原野>
ミミカイツブリ、ヒメウ、コブハクチョウ、オオハクチョウ、キンクロハジロ、クロガモ、 ビロードキンクロ 、シノリガモ、ホオジロガモ、トビ、ケアシノスリ、ノスリ、オオセグロカモメ、シロカモメ、カモメ、ハシボソガラス(未確認:コオリガモ?、ワシカモメ)

<支笏湖>
マガモ、コガモ、アカゲラ、ヒヨドリ、ハシブトガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、シロハラゴジュウカラ、 キバシリ 、シメ、ミヤマカケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス<番外:エゾリス>

<千歳川・鮭孵化場>
マガモ、カワアイサ、トビ、オジロワシ、セグロセキレイ、ハシブトガラ<番外:エゾシカ>(未確認:カワガラス、マヒワ)

<北大演習林>
マガモ、ヒドリガモ、アメリカヒドリ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ホオジロガモ、ノスリ、 ヤマゲラ 、アカゲラ、エゾコゲラ、ヒヨドリ、ツグミ、シマエナガ、ハシブトガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、シロハラゴジュウカラ、ウソ、ミヤマカケス、ハシブトガラス(未確認:アオサギ、クマゲラ)

<ウトナイ湖>24日
コブハクチョウ、マガモ、ミコアイサ、カワアイサ、オジロワシ、シマエナガ、ハシブトガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、シロハラゴジュウカラ、カシラダカ、スズメ、ハシボソガラス

<総確認数:45種(含むコブハクチョウ)、他にツアーでは確認したものの、見ることが出来なかった鳥:6種?>
2002年02月25日 14時05分32秒


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